重岡さんの作品をリュックに入れて、アトリエを後にする。

嬉しさが込み上げてきて、30秒間も両手でガッツポーズをしながら歩いていた。

 

 

伊豆高原五月祭で最後に訪問したのが、伊東のアート界の大巨匠、日本有数の彫刻家の重岡建治さんのアトリエです。

重岡さんの作品は、日本各地、世界にも展示されていて、多くの人々が目にしています。

 

 

僕が初めて名前を覚えた日本人の彫刻家

 

重岡さんの作品は、僕が2020年2月に、東京から伊東に移住してから知りました。

伊東海岸にあるなぎさ公園に多数のモニュメントが飾ってあるのと、東海館に展示室があり、有名な方なんだと知りました。

僕は、彫刻も好きなのですが、絵画中心で観ているため、ロダンやジャコメッティなどの超有名な彫刻家以外は、彫刻家の名前はあまり知りませんでした。

なので、考えてみると、日本人の彫刻家で初めて覚えたのが、重岡さんでした。

 

 

アトリエには、作品がびっしり

 

アトリエは、池田20世紀美術館から徒歩20分くらいの静かな場所にありました。

大きな彫刻が、遠くからも目に入り、重岡さんのアトリエということがすぐにわかりました。

 

入館の挨拶をしてから、訪問者リストに名前を書いていると、

「どこから来たのですか?」

と、声をかけていただきました。

自分は宇佐美在住で、2年前に東京から移住してきたことをお伝えします。

 

それから、アトリエを見回してみました。

所狭しと、びっしりと彫像が並んでいます。

上を見上げると、天井近くまで、彫像がありました。

 

 

2階に続く階段の壁には、デッサン画も飾られています。

 

花の絵も描いているんですね。

 

 

2階の2部屋にも、多くの彫像が並んでいました。

中には、重岡さんの作品の特徴であるスリムな人体彫像ではなく、普通のシルエットの人の彫像や、仏様、動物もあります。

最初は、今のような作品スタイルではなかったんだろうと思い、作った時代が気になりながら、たっぷり堪能しました。

 

 

初めてお会いした重岡さんは、優しい少年のような方でした。

 

2階の展示を見終わって、1階に戻ってくると、

重岡さんから、

「どうでしたか?」

と声をかけてもらいました。

 

僕が

「大ファンになりました」

と答えると、嬉しそうに笑ってました。

 

それから、重岡さんが彫刻を始めたきっかけを、聞いてみました。

僕は、その人が何かをするきっかけの話を聞くのが大好きなんです。

 

椅子に座って小さな仏像の彫刻を掘りながら、話始めてくれました。

しばらくすると、椅子に座るのをを勧めてくださり、さらにジュースまで出していただけました。

 

当時を懐かしそうに思い出しながら、いろいろなお話をしてくれました。

高校生のときにお金を稼ぐために、おもちゃを作って、京都の丸山公園に売りに行っていたこと。

そのときに美術館で見た彫刻像を見て、自分にもやれそうだと思って、始めたこと。

東京芸大を受験しようとしたけどお金がないと言ったら、有名な彫刻家の圓鍔勝三(えんつば かつぞう)先生が、特別に弟子入りさせてくれたこと。

イタリアの巨匠 エミリオ・グレコさんの作品を日本で見て、衝撃を受けたこと。

弟子入りするためにローマに行く時に、伊東駅で、びっくりするほど大勢の人たちが見送ってくれたこと。

お金がなくなり、イタリアで一度だけバイトしたこと。

日本に帰国して、伊東で開いた初の個展で、40個もの全ての作品が完売したこと。

帝国ホテルでの個展も大成功だったこと。

 

何度も言っていたのは、「伊東の人たちは優しい」という言葉。

無名の若者がイタリアに行く時に、大勢で見送ってくれた。

初の個展で作品を購入してくれた。

 

伊東の人たちへの感謝の気持ちをずっとお持ちなんだと思います。

 

作品のスタイルも徐々に変わっていった

その後は、作品がどう変わっていったかも、お話ししてくれました。

 

最初は、普通の彫刻を作っていた。

でも、野外で光に当たると、普通の丸いシルエットの体だと、ぼやっと見えてしまう。

なので、光が当たった時にシルエットがはっきりと見えるように、角張った形にしていった。

 

次に、野外の彫刻作品は、子供が触ったり、雨風にも耐えられるようにするために、手をつなぐ形にした。

 

 

石で彫刻をするときに、面白いひらめきがあった。

薄い石で、女性の胸をどう表現すれば良いか?

まわりや、裏面を削って、胸を残すようにしてみた。

体のラインも同じようにすれば、できることがわかったんだよ。

 

 

 

 

ある木の彫刻作品で、女性の胸の部分の木が腐食したため、片方だけ削った。

すると、そのほうが良いと感じるようになってきた。

 

じゃあ、顔も半分削ったらどうなるんだろう?

と思ってやってみたら、これもいいと思ったんだよ。

だから、今の作品は顔が半分なんだ。

 

 

 

ローマから伊東に帰国したときに、伐採された木が大量に残っていることを知った。

その木を使って、「大地から生まれる」というイメージで作っていった。

だから、僕の彫刻は、足がないんだよ。

最初は、ちゃんと足を作ってたんだけどね。

 

 

 

野外の彫刻作品は、屋内とはまた違った見方が楽しめるんだよ。

彫刻の間から覗く向こう側にも彫刻が見えるでしょ。

 

 

 

他の来訪の方がお越しになった後もお話くださり、気づいたら1時間も経ってました。

その後は、他の来訪の方と一緒にお話を伺ったり、別の来訪の方々と重岡さんとの会話を聞きながら、作品鑑賞を続けて、2時間も滞在させてもらいました。

 

作家本人から、お話を聴きながら、作品を2時間も堪能できるなんて。

美術館のオーディオガイドを遥かに超えた、大興奮の2時間でした。

 

 

 

他の方々と、重岡さんの会話で、初めて知ったのですが、最近まで入院されていたとのこと。

そんな体調で長時間お話しいただいたことにお詫びと、たくさんのお礼をお伝えして、最後に、重岡さんの写真を撮らせていただきました。

86歳とは思えなくらい、少年のような素敵な笑顔ですよね。

 

 

・・・欲しい。重岡さんの作品が欲しい!

 

大満足でアトリエを後にして、バス停に向かって歩き出しました。

「最高の時間だった・・・。

大ファンになったよ。

・・・

・・・

・・・欲しい。

重岡さんの作品って、いくらで買えるんだろう?!」

 

アトリエに戻り、重岡さんに真っ直ぐにお聞きしました。

 

「重岡さんの作品が欲しいのですが、一番安い作品はいくらくらいで、どこで買えますか?」

 

すると、この作品ならと、その場で売っていただけました!

鉄の鋳造作品です。

まさかその場で手に入るとは思わず、大興奮!!

買ったことは他の人に話しても大丈夫だということも確認しました。

 

 

改めて重岡さんにお礼を伝え、作品をリュックに入れて、アトリエを後にします。

 

まさか作品を手に入れることができるなんてー!!

嬉しさが一気に込み上げてきて、30秒間も両手でガッツポーズをしながら歩いてました。

 

感動。

重岡さんのお人柄、作品ヘの想い、伊東の方々への感謝、来訪者への丁寧すぎるくらいのご対応。

まさに、心を動かされた2時間でした。

 

ありがとうございました!!

 

 

僕がニコニコして眺めている作品はこちら

 

家族が、仲良く手を繋いでいます。

重岡健治さんの鉄の作品

 

重岡健治さんの鉄の作品

 

サインもしっかりと刻まれています。

重岡健治さんの鉄の作品

 

 

重岡さんからいただいたポストカードと並べて飾っています。

 

効果:この像を見ると、テンションが上がって、全ての能力が20%向上します。

重岡健治さんの鉄の作品

 

 

良い。

良き作品です。

他の作品も欲しくなってきたー!!

 

 

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